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文藝新都作品レビュースレ★2

1 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:10/02/12 19:55:11 ID:1HunzezD
以下のような行為はスレが荒れる原因になります
・批評の枠を越えた悪口
・批判オンリーのレビュー
・作者叩き、人格への誹謗中傷
・レビュー内容をレビューする
・twin jewel storiesに触れる
以上のことに注意しつつも、肩ひじ張らず気軽にレビューしていきましょう。

前スレ
http://yy21.kakiko.com/test/read.cgi/neetsha/1222957768
http://yy21.kakiko.com/test/read.cgi/neetsha/1265542222

326 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/03/22 00:56:38 ID:2kGXOBvd
マンネリは上質な官能小説だったよね。
作中作っていうギミックもあったし。

327 :橘圭郎 ◆6Tn0lQYewg :11/03/22 15:32:40 ID:ZQl5Wu+B
>>319
おお! レビューとオススメ、ありがとうございます。
仰る通り、ヒロインが人妻なだけで根底はラノベです。

そんな拙作ですが、これからも応援していただけたら幸いです。


328 :ひょうたん(夏目あおいの中の人):11/03/22 20:12:11 ID:txVqdSdJ
>>325
うおおおお、レビューありがとうございます! 『抜ける』の言葉は最高の褒め言葉です、ありがとうございます!
胸→本番というパターンはまったく気づきませんでした。男をおっぱい星人にしてしまったばっかりに、そんなことになったのかもしれません……
次回、また官能小説書くときは単調にならないように気をつけます、ありがとうございました!

>>326
こちらの方もありがとうございます!
次回はもうちょっとお下品な話を書きたいかなと思っています!


329 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/03/22 20:19:14 ID:xNrEgfU7
>>328
な、中の人……だと……
しらんかった

330 :ひょうたん(夏目あおいの中の人):11/03/22 20:23:42 ID:txVqdSdJ
>>329
マンネリガールの作者コメントのリンクをクリックしてみてくださいましw

331 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/03/23 12:06:08 ID:30z0oK9m
>>318
レビューありがとうございます!
まさか自分の作品に……っていうか構成がんばります!
ありがとうございました!

332 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/06/12 16:53:54 ID:ZE3bnUI6
レビューするぞ。作品募集

333 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/06/12 17:32:50 ID:EQucB47+
三ヶ月ぶりの文芸レビュースレの浮上感激した!
じゃあ文芸カタログで

334 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/06/12 17:38:31 ID:EQucB47+
文芸カタログ

335 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/06/12 17:44:53 ID:EQucB47+
度々書き込みミスすみません・・・
文芸カタログで気になっていた硬質アルマイト先生の涙雨をレビュー希望

336 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/06/12 18:01:10 ID:ZE3bnUI6
カタログをレビューするのは厳しいので、涙雨にします

337 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/06/12 18:45:58 ID:ZE3bnUI6
とりあえず2話まで読んだ涙雨をレビューする

合作小説という様式は初めてみた。
硬質アルマイト先生は深淵の瞳しか読んでいなかったので、こんな作品もかけると知って驚いた

視線が交錯するという手法は、村上春樹の小説でみたことがあったが難しい手法だと思う。
今のところはまとまっていてよく出来ていると思うが、
おそらく最後のほうは話を一つにまとめてくるのだからだ。
その時に、うまく調和させる事が出来るかどうか。

非常に斬新な小説だと感じたので、是非完結まで頑張ってほしい。


338 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/06/12 19:27:31 ID:HqyzePfL
アルマイトは更新が飛び飛びなのがネックだったけど
合作形式で締め切りが発生したらバリバリ書くようになったな

339 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/06/12 19:44:30 ID:EQucB47+
文芸もニノベもある程度有名所が固まってきて
期待の新人
ってのが最近あんまりいないよね
まぁそんなに逸材はホイホイでてこないかな

340 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/06/12 20:10:10 ID:ZE3bnUI6
まあ昔に比べて層があつくなってきてるからな
じゃあ、次は新人の奴でもするか

341 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/07/23 21:52:43 ID:VX0CPEbt
age

342 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/08/11 06:10:12 ID:V6b91qK0
これから週に2,3回程度の適当な間隔で気になった作品のレビューをしていこうと思う。
個人の単なるいち意見ですので、「へぇそういう話なんだ」程度に受け取ってもらえればそれでいいです。


・夢塚文庫/あらばき

水彩調の絵と淡い文章に溺れてみてください。きっと良い夢見れますよ。

淡々とした口調で描かれていく文章と、ほんの少し物語に感じる仄暗さが良い具合に混ざり合って、メルヘンという空気感をうまく出していると思う。
文章量として見ると非常に少なく、読み応えを求める人には少し不満かもしれないけれど、あっさりとした読後感を感じたい人にはオススメ。
まだ一話のみなので、これから作者流のメルヘンを表現していくのだろう。非常に楽しみ。


・ピーラー/53

文章の新鮮さ、是非とも感じてほしい。こういう作品を書く新都作家ってそういないから。

ピーラー、という行為に名前がついていることを初めて知った。ただ、このピーラーという行為を行うことで抑圧された感情を発散するということに対して「あるある」と思える人は結構いるのではないだろうか。
この物語は少女の視点で描かれる青春物語である。
が、少女自身がどこかその「現実」にうまく入り込めていない。もしくは入り込む気がないのかもしれないが、額縁の中での出来事のように世界を見つめている感覚を覚えた。
このピーラーを止められずにいる少女が、物語の末で一体どうなるのか、続きが気になる作品です。

343 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/08/11 06:10:43 ID:V6b91qK0
sageちった。
少しでも文藝レビュースレが活性化しますように。

344 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/08/11 08:48:04 ID:tqqPZLQU
ありがたいね。
ここからレビューだけじゃなく、文芸新都そのものも
活性化したらいいなぁ。

いつか私の作品も出ますように。

345 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/08/11 13:11:37 ID:kT0vBsmk
>>342
なんかコピーがいいね
読んでみたくなるわ

346 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/08/13 06:08:56 ID:FyuByGn7
レビュー二回目。大体一回につき二作品のペースでいこうかな。それほど読むペース早くないし。


天使とナイフ/火呼子

 壊れているのか、ただ純粋なのか。

天使と神様以外を切ることができるナイフをきっかけに起こる物語。サスペンス、ミステリー、もしくはホラーととることも可能かもしれない。
落ちついた文章とどこか乾いた世界観がうまくマッチしていて私は好きです。
前篇、中編、後篇といった形式で更新されるようで、今はその中盤くらいで量としてもそれほど多くはないので読みやすいと思います。
本当の天使を探す少年の終着点がどこなのか、見届けたい気持ちで一杯です。



飲兵衛達が歩く月の夜/坂

 お酌しましょうか、こんな素敵な夜ですし。

タイトルの通り、酒呑み達がメインに据えられた妖怪モノ。
怪奇的な要素は一切なく、空気感としては縁日っぽさがあるかもしれない。お祭りのあの屋台の並びにいる感じ。
飲兵衛と書くだけあって飲みまくっている。ただひたすらに。こちらが飲みたくなるくらいに飲んでいる。
私的にこういった妖怪と人を明るく絡めている物語は非常に好みなので、続きを待ちたい。良い酒の肴になりそうな作品です。
坂先生の作品はこれがはじめてなのですが、文章も好みなので他の作品も読んでみようかと思います。

347 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/08/14 15:01:45 ID:rhg3D7CS
文藝でコメ20越えって、
結構いい方?

348 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/08/14 18:44:23 ID:zTrrxmaW
良いほうだろ。
文芸は面白い作品の米数が一桁とかザラで泣ける。

マジでどうしたら活気付くんだよ…

349 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/08/14 19:52:54 ID:4HtTy1DN
コメ少ない→更新する気起きない→ずるずると引きずる→投げる

こんな悪循環なんだろうな
つーか面白くても更新遅いとコメつかないしね

350 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/08/14 21:01:35 ID:CAvn5cvZ

やっぱりそうかー。

どうしたら活気付くかな。
漫画やニノベと比べて
絶対的な読者数が
圧倒的に少ないんですよね。

351 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/08/14 22:53:07 ID:Co4AVqVC
基本読んだ奴には全部つけてる
そんなに読んでない
ニコ先生や坂先生のフィクション混じりのエッセイ集みたいな、どこからでも
読めるのは気楽に読めてコメも出来る。
長編の場合、本読んでた方がいいかって気になる。

352 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/08/15 07:27:52 ID:oqBPnLlt
それはきっと牡蠣のせいよ、/白い犬

アタるときもあればアタらないときもある。

短編形式でそれぞれの恋愛模様を描く作品。
森見さんの文体が好きなのかな、と思ったけれどもそれほど森見っぽさはないと思う。
甘酸っぱい恋愛が軸となっているけれども、少し恥ずかしいから他の要素でそこらへんを見せないようにしているような、そんな風に読んでて感じた。この人がべったべたの恋愛物書いたら多分読んでるだけで恥ずかしくなれると思う。ちょっとそれも読んでみたかったりする……。
十代のもどかしさを巧く表現しているなぁ。
「日比谷先輩は容赦しない」が大好きです。



サザン・ダンス/宵野夏

 音に溺れて、ただ身を揺らそう。それだけで幸福になれるのだから。

文章の厚みがとてもあって、読み応えあり。そして地の文がとてもどっしりとしていて、情景が綺麗に浮かぶ。この人の文章が好きという人はなかなか多いと思う。
この物語は、南の島で男性が少女に振り回される話。
ただ、その中で成長という時間の経過に対する恐怖や、喪失によって生まれた穴に触れたり、様々な感情が交差して行き、二人の心情に変化を生じさせていく。
短いながらも非常に中身の詰まった作品なので、是非とも。特にダンスの回は読んで欲しい。あのシーンの文章はどこも素晴らしかった。
パースペクティブという作品も素晴らしいので一緒にどうぞ。近いうちにこちらもレビューできたらいいな。

353 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/08/15 07:41:07 ID:oqBPnLlt
オススメとかあったら是非とも教えてくださいませー。自薦でも。
色々と読んでみたいのです。

>>347-351
文藝という存在がニノベが発行されたことも相まって「堅いイメージ」のある雑誌となってしまったところもあるのかなと思います。
あとは、文章が良かったり雰囲気が良くても、一度目のコメントから更新毎に「文章やっぱいいなぁ」とか「雰囲気出てる」と毎回書こうとは思わないだろうし。
更にそういったコメントがあると、同じ感想が重複してしまうからと遠慮する方もいるのではないでしょうか。
まあ面白かったらコメントがつくと言われてしまったら何も言えないのですがw

アドバイスだったり。文章面や構成面での意見をどんどん書いてもらいたいとかそういう流れや空気ができると、一つの文章に対して感じることが十人十色なはずだから、コメントが少しつきやすくなるのかなとか思ったり。
まあこういう「意見」が難しいから逆につけにくいのもあるのかもしれませんが……w

長文失礼しました。

コメントは大体20〜40あれば読者はそれなりにいると考えていいのではないかと思います。

354 :犬のほう:11/08/15 20:13:29 ID:myQN9U/o
>>352
あざっす。レビューなんてはじめてです。光栄です。
日比谷先輩は私も好きです。日比谷先輩がポニテに髪を結わえるとすれ違う人すべてが振り返ります。ついでに淀んだ大気は浄化され、国民の政治不信の呪縛が解けるほか、慢性的な円高が解消し、私の部屋にクーラーが設置されます。
十年来のオンボロ扇風機とこれでおさらばできるってわけです。
あざっした!

355 :53:11/08/19 22:46:18 ID:8Ou1Dz1J
>>342
発見が遅くなりましてすみません。
物凄く好意的に書いて頂いて、ありがとうございます。
とっても嬉しいです!!
自薦以外でレビューをして頂けたのは初めてです!!
342さんの文章はとても綺麗でわかりやすく、羨ましいです。
ちなみに、ピーラーは私が作った造語というか、主人公の中だけの
言葉なので、多分そういう行為に名称はないと思います。
ググって調べてみたのですが、使っている方は居なさそうですw
けしてどこかでお使いにならないでくださいねw
では、長々失礼しました。他のレビューも頑張って下さい!

356 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/08/20 00:10:38 ID:vZ2B6q6z
ちょっと忙しくなっているので一度のレスでレビュー一つくらいの頻度になるかもしれません。

フルーツ・イン・ザ・ルーム/池戸葉若

 その結び目がほどけないように

池戸先生の魅力は、会話にあると思っている。キャッチボールが上手いのだ。そしてそのキャラの立ち位置を作者自身がしっかりと理解しているからこそなのだろう。
そして次に、前述の通り、それぞれのキャラの立たせ方が非常に丁寧である。
どれだけだらしなく書かれていても、主人公から目を離したくなくなるのは、どこか彼にかけてみたい、そんな感覚を覚えさせるようなキャラの立たせ方ができているからなのだと思う。私個人の意見なので、他の読者さんはどう考えているのかは分かりませんが……。
終着点も作者自身がしっかりと見据えて書かれているようなので、最終話まで楽しみたいです。


稲沢アイラブユー/ピヨヒコ

 ほろりと、砕けて、沈んでいく。

この人の描く性は痛いところをついてくる。そっとスポイトで水を垂らしたみたいな、少し滲んだ世界観は読者を虜にするには十分な武器だ。私自身も見事にやられた人間です。
短編連作で、それぞれ登場人物も違えば、物語も舞台も違う。けれどもどのキャラも何かを必ず求めて、でもそれを必死に抑えて、そしてそっぽを向くことでどうにかやりすごしているような、そんな子が多い。
うまく言えないけれども、方向性やイメージを固めているからこそ、この文章力が活きているのかなと思う。独特な表現を絡めている文章とピヨヒコ先生がどんぴしゃだ。
ネジレとヒズミも非常に面白かった。けれども私としてはこちらの作品を強く推したい。

357 :池戸はわか:11/08/20 16:26:25 ID:9HVF5Z7J
>>356
レビューありがとうございます!!
思ってもみなかったお褒めの言葉に戸惑い嬉しい感じです。でも、レビューというのはそういうもので、作者自身にも新しい気づきみたいなのがあるんでしょうね。というか普通に自分より文うまいですねww
これからもレビュー頑張ってください! 応援しています!!

358 :ピヨヒコ:11/08/20 23:16:36 ID:QY5tiDc1
>>356
レビューありがとうございます。
読んでいただけただけでもとても嬉しいのに、こんなに丁寧な紹介をして貰えて光栄です。
稲沢アイラブユーでは性愛とか恋愛とかを基礎に置き、その下から自分なりに物語りを炙っているつもりです。
キャッチに書いてもらったように、炙った際の塵とか燃えかすが沈んでいく様を感じていただけていると思うと、本当に嬉しいのです。
どうしてもポップな部分が薄れがちで読んでいて心地よい話ではないかもしれませんが、
なんだかそれが稲沢アイラブユーっぽいなとも思うので、今後ともお楽しみいただけると幸いです。

最後になりましたが今後のレビューを楽しみにしています。ありがとうございました!

359 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/08/21 16:05:10 ID:HfRq2ANu
ほのぼのしてていいねえ

360 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/08/22 21:16:24 ID:VD6DILaR
いい感じの雰囲気だねぇ。

361 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/08/23 01:02:27 ID:+GPEESqq

花火大会に行ってはいけない/守永クリコ

 ”突然”が予想できても意味がない。誰も信じないのだから。

なんとなくこれはまず読んでみて欲しい。その一言に限る。
初めまでは少年が想いを寄せる恋愛モノで、激甘な小説なのかと思ったのだが、後半に行くにつれて妙な不安が頭をよぎるようになっていく。
姉の一言がきっかけとして物語は本来予想しえた状況から一転していくわけだが、今後の展開が全く読めない。作者自身のコメントが本意であるのか、それとも意図的であるのか……。
軽快な文章だが、私的にはこういったジャンルであるならもう少しずっしりとした重みのある文章が欲しいなと思ったりします。一話から見ていると着々と描写が増えているので、物語としても文章技術としても今後が楽しみ。

362 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/08/26 01:33:18 ID:eSthUahk
ロマンチックノイローゼ/つばき

 満たされたいのは誰か。

恋愛、特に性に対する感情が出てくる短編連作。
「この世で最も淫らなものは、この世で最も清純らしいかたちをとっている。」(収録作:ロマンチックノイローゼより抜粋)とあるが、作者の作品全体に一つのテーマは用いられていると思う。
私的には男女という間に生じる恋愛という感情に対して、ここまで正面から真っ二つにする(といえばいいのだろうか)とは……と感じ、読む程に様々な考えが浮かんでは消えて行くので、非常に面白い。
文章は一言で言うならば文藝作品。
がっちりと練り込まれた文体であるのだけれども、読んでみると不思議とそうは見えず、ほろりと解けて沁み込んでいくような感覚を覚える。
「雰囲気が良い」とコメント等で言われているが、どこか冷めているような空気感だけれども、提示したテーマ性に対しては決して揺るがないといった熱量がその中で生まれることでこの絶妙な空間を生み出しているのではないでしょうか。
私は好きですが、男性、女性、もしくは感覚の違い等で大分読後感が別れる作品だと思います。
是非ご一読を。

363 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/08/28 00:27:49 ID:LK6Lewxe
>>362
作者です。レビューありがとうございます。
とても嬉しく拝見しました。

黙々とレビューを続けておられる姿勢に共感して、
私もレビューの真似事を。
やたら長々しくなってしまいすみません。


「夜に踊る光」宵野夏


前作(サザン・ダンス)と併せて、宵野先生の文章は、一息がとても長いです。
言葉が並べられていく様子が、それでもかえって静かなのが不思議です。
前作では「水の中を一蹴りで遠くまで泳いでいくみたいな文章」だと感じたのですが、
今回はわりと饒舌な印象を受けました。でもうるさくはないです。
あまり圧力を感じないというのでしょうか。
絞り出す必死さを持っているくせに無気力な文章が、この短編にうまく添っていると感じました。

リアルなディティールで覆い尽くされていて、
ストーリーよりもそういう要素が短編としてのかたちを支えている印象です。
宵野先生の性別と年齢を考え込んで混乱してしまうくらいリアルです。
ただそのディティールで少し気になる点も。
仕事の失敗がささやか過ぎるのでもっと社会人的理不尽さが滲み出てもいいなとか、
従妹の娘が歩く時期だとか(三歳ってとっくに歩いている時期だと思うので)、
そんな細かいところなのですが。
無責任な情事についても典型的な描写に感じたので、
もっと不穏な悪意が含まれていれば読後感がざらっとするかなと思うのですが、
それは「私がもしこれを書いたら…」という想像に基づく感覚でしかないですね。
更に言えばこういう着想は出来そうにないので完全にifの話です。
むしろこのさらさらと引っかかりのない、
凡庸で手応えがないくせに自分を削り取っていくもの、というあり方が
ここでは意味を持つのだろうか、と考えたりしました。
その「さらさら感」はすごく重要なものだとは感じるのですが、
弟についてはもう少しだけ触れて欲しかったかも。そのさらさらを保ったままで。

そして主人公の年齢、「二十八歳」が少しそぐわないように感じました。
今の二十代って、こういう「削り取られていく感覚」を
高校生くらいから感じているんじゃないのかな。と、私は思います。
高校時代のエピソードは、現在三十代半ばよりも更に上くらいの女性を想像してしまいました。
夢見る乙女でいられるのは中学生までなのかな、と。
私の高校時代が機能障害に陥っていただけでしょうか。
あるいは時代設定が現在ではないのかもしれませんが、
これは三十代半ば女子(敢えて女子)でも十分に成立して、且つ妙にリアルになる気がします。

「サザン・ダンス」でも感じたことですが、
言葉の波に引きずり込んで引っ張っていくのがとても上手い。
それは勢いで無理矢理引き離すというよりは、
気がついたら息を詰めて静かに併走しているような引っ張り方なのです。
最後の二つの段落のテンションの張り詰め具合は素敵でした。
こういう部分があると、何かしら「文章を読んだ」という満足感を頂けるので、
読み手としては嬉しくなります。
言葉のリズムと心のリズムがうまく一致しているのだと思います。

「いつもそうだが、私たちは話したい言葉を使うことが許されていない。」
そんな、混乱した闇の中でのもどかしい息苦しさに同調できる短編でした。

364 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/08/28 02:13:14 ID:E4ce5qgd
>>363
レビューをする方が私以外にもいてくださるというのが嬉しいです。
これからも先生の更新を楽しみに待っております。



常夜急行/観点室

 夜は無口だ。語るのは野暮だと知っているから。

列車に乗って真夜中に行く物語。
私的に、少し辛めの評価をつけてしまうが、文章はまだ発展途上だと思

っている。地の文と会話のバランスが所々で偏っていたり、テンポ感も

怪しくて時折ヒヤリとしてしまう。
けれども、作者の描写、抱えている世界観に魅力を感じた。物語の始

まりにわくわくしたのだ。
そして作者自身が文章書きとして成長していくことで、この世界にどん

な色をつけるのか。それが楽しみでならない。
少し上からの物言いで申し訳ありません。
私は貴方に応援と期待の気持ちを抱いております。

365 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/08/28 02:13:57 ID:E4ce5qgd
文章が変になってしまったので、改めて。

常夜急行/観点室

 夜は無口だ。語るのは野暮だと知っているから。

列車に乗って真夜中に行く物語。
私的に、少し辛めの評価をつけてしまうが、文章はまだ発展途上だと思っている。地の文と会話のバランスが所々で偏っていたり、テンポ感も怪しくて時折ヒヤリとしてしまう。
けれども、作者の描写、抱えている世界観に魅力を感じた。物語の始まりにわくわくしたのだ。
そして作者自身が文章書きとして成長していくことで、この世界にどんな色をつけるのか。それが楽しみでならない。
少し上からの物言いで申し訳ありません。
私は貴方に応援と期待の気持ちを抱いております。

366 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/08/28 03:27:03 ID:9U25+nyK
宵野先生のは引きずりこまれていく感がいいね
無理なく文のなかに「あーっ」って入っていける感じ

367 :宵野夏:11/08/28 10:33:08 ID:0G0k3O7d
レビューありがとうございます。すべて読ませていただいてます。
指摘もとても参考になるのでありがたいです。こういう返信をすると普通の言葉しか出てこないのがとてももどかしいなあ。
才能の足りない人間ですが、もうちょっと上手になれるようがんばります。
短編の連載はもう少し続くと思います。

368 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/08/29 12:41:32 ID:IsQ1exyi
潮影の火/浅見ヒッポ

 貴方を焼きつける。巻き戻せないと知っていても。

テープという現象と共に描かれる、少女を視点としたミステリー作品。
独特の語り口と、張りつめた静寂の中、途切れてしまいそうな刹那を狙ってねじ込まれる空気と物語。読まされてしまった、という表現を私はあえてつけたい(勿論、良い意味で)。
登場人物の柔らかさがとても好きだ。淡々としているようで、ちゃんと人一人に火が点いている。暖かみ、といえばいいだろうか。そんな感覚を覚えた。
この作品はミステリーと題されているので、これから謎めいた部分が解き明かされて行くのだろう。
その場面を一体どう盛り上げるのか、緻密に物語を編み上げるタイプの方のようなので非常に楽しみにしたい。
話数としてもまだ序盤。読み始めるのにも入りやすいタイミングなので是非、この空気感に溺れて欲しい。

369 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/08/29 13:05:35 ID:BZlpq8a6
>>365
レビューありがとうございました。
ご指摘のところを今後の課題として、上手く自分の世界を表現できたら良いなと思います。
客観的な意見が大変参考になりました。嬉しいです。
少しでも期待に応えられるようなものを書けるように頑張ります。

370 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/09/13 19:21:37 ID:jY4Is1fR
>>368
作者です。
丁寧なレビューに感動いたしました。ありがとうございます。
9月に更新した分で、クライマックスの直前ほどです。
そろそろ終わりの見える頃合いですので、また読んで頂けると嬉しいです。
あと少し、文藝でお世話になりますが、よろしくお願いいたします。

371 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/09/22 05:48:52 ID:K1pf14BI
色々と慌ただしかったせいで八月末からレビュー書けませんでした。すみません。

二日に一度か三日に一度か、そのくらいのペースで、現行企画「文芸秋の三題噺企画」のレビューを行っていこうと思います。レビューというかほぼ感想ですけれども……。


お題B/フライングアイラブユー/近松九九


軽快な文体と会話で構成された短編。ラストの二つの文があることで、物語にオチをつけている。個人的にはこの二つの文がすごく好きだった。
会話も非常に受け答えのテンポが良くて、読んでいてリズムに乗れた。
ただ、途中の文章が説明口調になってしまっていて、少しこの辺りにもテンポ感が欲しかった。全体として軽さが強みになっている短編なので、ここで重みを出してしまうと少しテンポダウンかな、と。
トップバッターとして非常に良い走り出しだったと思います。



お題B/あの夏の日の夢物語/当利


意識的に書かれた中二病ほど難しいものはないと思います。その部分を丁寧に書きつつ、ラストの一言で〆たのは良かったのではないかと思います。
ただ、こういった設定にするとなんでもあり感が出てしまうという……その扱いにくさが非常に悩みどころだったのではないでしょうか。
「彼女のえんがわ〜」は本当に作者泣かせですね……。

372 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/09/24 07:19:59 ID:nVj0mZ06

お題@/考察/佐久間一雄


この考察というタイトルで色々と考えさせられてしまった。
ジョーカーさんという存在に関してのこの女性の考察なのか、オフでのリアルとネットでの相違や危うさ等に関してのものなのか。少し考え過ぎだろうか……。
一人称視点でひたすらに過去について喋っているわけだが、サクサクと
した言い回しが非常に清々しい。最後までテンポ良く読めました。
意外と新都社というワードって三題でどう入れるか悩みどころだと思います。面白かったです。



お題A/変態、恋をする/ジョニーグリーンウッド

序盤から勢いよく飛ばす作品だなぁと思っていたら、後半に見事にやられた。非常に綺麗にまとめられていて、私的にすごくほっこりさせられました。
ジーザスをいつも横で見つめる少女の視点で描かれている物語であるけれども、その中に二人の青春というか、甘酸っぱさが入っていて、ただの変態の物語では済まないようになっている。
短編という枠組みをとても丁寧に扱っていて、手堅く、尚且つ読ませることを意識した作品であったのではと思います。

373 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/09/26 23:58:39 ID:qnR2PW62
続々と作品数増えてますね。更新数に追いつけていないですが、自己満足的にレビューしながら読むのが楽しい



お題B/翔べ!ボルト/ねこせ

ダジャレじゃないか!!ってつっこんだ人はいると思う。そして作者もそれを狙ってたと思う。私はつっこみました。ホーガン……。
会話がメイン、地の文はその会話を引き立たせる程度と非常にシンプルな構造でできた作品。
けれどもこのコメディー調の物語にそれが合っていて、ああこれは地の文で固められたら勢いが削がれるなと納得させられる作品でした。
まさかボルト視点で物語を書いてくるとは……。楽しませていただきました。


お題@/雨の日/ポンズ

宣伝に持っていくとは、また面白いパターンだと思う。
落ちついた文体で、主人公の心境の変化を丁寧に描いた作品でした。
短編という中に落とし込んだことで多少その変化に足早感というか、違和感がありましたが、それでも出来事の順序がまとまっている為、最後まで読めました。
図書館での席の件は、なんだかもう少し広げて書いて欲しいなって思いました。
今でも十分暖かで読み心地が良いけれど、この作者さんならもっとじんわりとさせる展開がかけそうな、そんな気分

374 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/10/01 06:34:00 ID:6pCI35LS

お題A/新婚さんいらっしゃーい/七瀬楓

お嫁さんのキャラがとても良い。こういうストレートさは非常に好みです。
ただ、新婚という設定があるから、もう少しその辺りのぎこちなさが出ていてもいいのではないかなぁと思いました(私自身結婚していないのでこの辺りに関しては何も言えませんが……)
ああこうやってお婿さんはお嫁さんにコントロールされていくのかな、と少し思いました。
非常に明るくて楽しげな風景が浮かぶ文章でした。文体とも非常に合っていたのではないでしょうか。


お題A/神の憂鬱/リス園

これは非常に……難しい作品でした。
お題A自体が実際一番下ネタとして書き易い作品ではあると思いますが、こうもストレートだと威力出ますね……。顔を覆いたくなるのは良くわかる光景です。

375 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/11/05 13:21:48 ID:i9Tix1ek
あげておきますね先生

376 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/12/24 10:25:59 ID:26o5jDrZ
文芸企画アンチクリスマスレビュー!
ネタばれにならない程度に作品紹介に留めたレビューにしました。
このレビューから作品を読んでくれる人がいたら嬉しいです。

【題名】サンタ、来ちゃダメ!/ひょうたん
【内容】初仕事のサンタガールがリョナられるよ!
【感想】ごちそうさまでした。
    こういうの嫌いじゃない! もっとほしかった。

【題名】Jingle Hell/リス園
【内容】閻魔大王さま素直!
【感想】短っ、と思ったけどその分わかりやすい。
    閻魔さまが可愛いと感じてしまった。

【題名】適当/yuki★★★
【内容】クリスマスのせいで核の炎が……っ
【感想】さらっと読めるのがいい感じ。
    誰も幸せにならない感じが素敵。

377 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/12/24 10:27:02 ID:26o5jDrZ
【題名】夢はうたかた余はサンタさん/岩倉キノコ
【内容】おじいちゃんはサンタさんじゃないのよ?
【感想】おじいちゃんかわいいな!
    なんか微笑ましい。

【題名】三発の壁ドン/ポンズ
【内容】青春ですね。
【感想】ところで壁はどこですか?
    甘酸っぱい。ところで壁はどこですか?

【題名】こんな人生やってられます/ぶくまん
【内容】ワキガがうじうじします。
【感想】非モテに彼女が出来たらこんな感じなのか。
    若干の苛つきと、うに子のかわゆさ!

378 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/12/24 10:28:23 ID:26o5jDrZ

【題名】クリスマスは教会へいこう/猫瀬
【内容】クリスマス、教会での一日。
【感想】ぜってえこいつらリア充だぜ、と思っても壁ドンしたくならないのは
    恋愛要素少なめの綺麗なお話だからですな。

【題名】僕のサンタさんはどこで僕をしているのか/G.E.
【内容】僕はサンタさんの正体を知っている!
【感想】いい意味で頭痛い。
    こういうタイプの小説にしては読みやすくていい。

【題名】歴史裁判(リア充爆発した事件)/新野辺のべる
【内容】戦国大名と遠山の金さんで送る裁判模様。
【感想】ノリ軽っ!
    地の文ほぼなしでコントチック。

379 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/12/24 10:29:49 ID:26o5jDrZ
とりあえずここまで。
まだ作品が増えたらいいなって思うので続きは時間をおいてします!

380 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/12/24 17:39:44 ID:yMFp+mUS
続き

【題名】アンチカップル・アンチクリスマス/はまらん
【内容】非モテのリア充殺戮劇場。
【感想】と言っても重い話じゃない。むしろコメディ。
    リア充判断基準に吹いた。

【題名】ヒトフタフタゴマルマルマルマル/池戸葉若
【内容】クリスマスのせいで宇宙からの襲撃。
【感想】決して珍しい構成じゃないけど引っかかってしまった。
    地球は人類のものだ!

【題名】雪のスピード/ワイケー
【内容】疎遠になってしまった幼馴染と。
【感想】女の子の一人称だと壁殴り欲求もそこまで強くは……、
    すいません、この壁殴ってもいいですか?

381 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/12/24 17:41:34 ID:yMFp+mUS
【題名】ソフトBL的クリスマスの思い出/山下チンイツ
【内容】ハッテン場!
【感想】ソフトBLの名にふさわしく細かい描写は無い。
    が、間違いなくBLである! オチw

【題名】雪娘とおっぱい/ねこせ
【内容】おっぱいだけプレゼントされました。
【感想】なんで見せてもらわねえんだよ!
    ……なんで見せてもらわねえんだよ!

【題名】12月某日とその翌朝のこと/佐藤水牛
【内容】日常。
【感想】感想いったらネタばれになるじゃないか!
    なので一言、心が痛い。

382 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/12/24 17:42:47 ID:yMFp+mUS
【題名】初めてのクリスマス・イブ/ロリ童貞
【内容】オパーイ。
【感想】童貞、初めてのおっぱい体験。
    女の子の描写細かいけど、童貞ってこんな感じだよな!

【題名】無題/カフェオレ
【内容】少しひねた男が会社の上司に恋をした。
【感想】この後どうなるのかが気になる作品。
    オチ自体は綺麗なので自分で妄想して楽しめる。

【題名】クリスマス撃破/匿名希望男
【内容】非モテのアンチクリスマス理論武装。
【感想】そうだよ! 俺たちは負け組なんかじゃないんだ!
    清水さんかっけえと思ってたのに。

とりあえず、ここまで。続きはまた後で

383 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/12/24 23:11:56 ID:yMFp+mUS
【題名】サンタガールの危機/匿名ちゃん
【内容】ファザコンサンタ娘さんがお父さんのお手伝いをするよ!
【感想】自作品のレビューは嫌だ! ので、反省。
    ガチエロにしようと思ってたのに長すぎて泣く泣くエロが短くなった。

【題名】食べればメリー・クリスマス!/岩倉キノコ
【内容】クリスマス、モテない野郎が爺に悪戯。
【感想】ほぼ会話のみで作られている。
    オチまでのテンポがいい。

これで最後かな
それではみなさんメリークリスマス!!

384 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/12/25 10:28:53 ID:vEgwmJM6
レビューありがとうございます、嬉しいです。
沢山レビューおつかれさま!

385 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:11/12/25 10:29:28 ID:vEgwmJM6
あ、メリーアンチクリスマス!

386 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:12/01/23 02:44:14 ID:Zrci38k7
文藝新都で短歌企画を計画中ですので宣伝に来ました。参加はお気軽に。

参考→ ttp://yy21.kakiko.com/test/read.cgi/neetsha/1305121193/235n-

387 :270:12/05/02 13:57:41 ID:tcA4hKDG
■文芸音楽アンソロジーレビュー@

アンソロ企画者です。
たくさんの投稿ありがとうございました!想像以上にたくさんの投稿があったので、
あまり細かく書くことは出来無かったためレビューというより感想に近いですが、
このレビューが投稿された作品を読むきっかけになったら嬉しいです!
2つずつうpしていきます。


【題名】〜ディバインハイド〜/名無しさん
【内容】前衛芸術
【感想】
 人類皆誰もが日常的に経験している「脱糞」という行為の中に、「音楽性」という要素を
再発見するという意欲的な作品。冒頭に重ねられた擬音は無秩序に陳列されているかの
ようで、数回声に出して読んで見るとその規則性を発見する事が出来ます。というのは
”b”の子音が絶妙なタイミングで配列され、生々しいリズム感を生み出しています。
これこそまさに文章によって音楽を表現しているというべきでしょう。また「尻穴メロ
ディー」という比喩が内包しているのは、下水道の奧へと流れゆく運命にあるモノが
概念的に持つペーソスであるように感じました。実に奥ゆかしい表現です。全ての要素
が重なり、緻密に織られたタペストリーの様に、混沌と統一を同時に内包する奇妙な作
品を生み出していました。これでいいですか?(笑)


【題名】脳味噌の中、彼だけの音楽/顎男
【内容】カラオケとリア充
【感想】
 文章全体を通してシニカルな表現と歪んだ言葉が重なっており、カラオケという
”場”に流れる同調圧力に対して反逆を試みているような作品でした。顎男先生の作品
はどれもそうですが、読みやすいし、読んだ人は共感する事が多いんじゃないかと思い
ます。私も思いましたよ。何でオアシス歌ったら「洋楽すごいね!」なんだよオアシス
ぐらい教養で知っとけよ馬鹿め! もうみんなが知ってるような歌しか歌っちゃダメな
ら、全部「瞳を閉じれば大親友のパスタにそれって奇跡」的な歌だけ入れてれば良いんじ
ゃないかな! あれ、これ作品のレビューになってない。うぬぅ。


388 :270:12/05/02 14:00:16 ID:tcA4hKDG
■文芸音楽アンソロジーレビューA

【題名】ノッキング・オン/猫瀬
【内容】昔バンドをしていた人とその周りの人
【感想】
 主人公が、カラオケ好きな高校時代からの友達との交流や、高校の時のバンドメンバー
の思い出を通して、音楽や自分を見つめていくような物語でした。一人称なのに主人公が
自分の内面を細かく描写せず、他の人のことを焦点をコロコロと変化させるようにして描
写していくのが面白かったです。文章は非常にすらすらと読めますが、読み終わった後、
長い長い物語の中盤から後半にかけての部分を少し読まされたような気分になりました。
猫瀬先生の他に描いてる物語のスピンオフか何かだったとしたら、それに気づけ無かった
ことによって私が全然他の作品読めてないことがバレ(ry


【題名】C#m/ポンズ
【内容】ピアノと女の子と男の子
【感想】
 これ私の書いたのですけど書く必要有るかな……まあちょっとしたネタばらしがてら。
三人称で書いてますが、片想いの男の子の姿を、想われてる側の女の子から描写すると
いう変なことをやってみました。この作品全体はショパンのワルツ第七番嬰ハ短調の曲
の構成を模した構成になっていて、曲の中で3回出てくるピウ・モッソ(今までより速く)
の部分に、藤代斗馬が出てくるシーンが対応する仕掛けになってます。好きな女の子の
前でひねくれた気持ちになっている斗馬に対応して曲もねじれるように速くなってる感
じです。結局何が言いたいかというと、私の好きな曲なので聞いてね!ってことです。


389 :270:12/05/02 14:03:01 ID:tcA4hKDG
■文芸音楽アンソロジーレビューB

【題名】THE BACK HORNメドレー/泥辺五郎
【内容】ごめんね、初めから羽根なんて無かったんだよ
【感想】
 私の大好きなバンド(ここ重要)、THE BACK HORNの曲の三つの曲をテーマにした作品
です。三曲を知らなくても読めますが、知っていると歌詞が多々引用されているのが
分かってテンションが上がります。三つのショートショートが並んでいるような構成
ですが、そのそれぞれが連続・連関し、不思議な流れを作っています。「サニー」が子供
から観た世界で、「ヘッドフォンチルドレン」が思春期くらいの内面で、「空,海、星の
夜」が大人になったという感じでしょうか……歌詞のイメージが先行して思考にノイズ
がかかって良くわかんなくなりました。他の方の感想も聞きたいです。


【題名】But beautiful/火呼子
【内容】父の一周忌の夜
【感想】
 主人公の母が、無くなった主人公の父の思い出を語るという物語。ジャズのスタンダ
ード(なのかな?ジャズ詳しくないからワカンネ)”But Beautiful”が物語の軸に置か
れていて、「恋」とは何かという問いに迫っているように感じました。シンプルな文章
で非常に読みやすく、文章そのものからジャジーな雰囲気のする、大人っぽい作品で
した。歌詞の引用・配置が効果的で、見習いたいなあとこっそり思いました。ところで、
色々ググってみたんですけど、レコードで流れていたのは冒頭の歌詞から考えると
Natalie Cole版のアレンジでしょうか? 冒頭の歌詞格好いいですね。


390 :270:12/05/02 14:04:53 ID:tcA4hKDG
■文芸音楽アンソロジーレビューC

【題名】crollo-decrescendo/Thollys Gurry
【内容】正統派SF
【感想】
 宇宙の彼方から聞こえる音楽、その源を辿った主人公は……という物語です。
タイトルのcrollo(伊)が「崩壊」、decrescendoが音楽用語の「どんどん弱く」だとす
ると、これは話の内容に呼応する形になってるみたいです。非常に簡素な表現が
丁寧に積まれており、宇宙旅行という非日常的な情景や、彼方から聞こえる音楽
をひたすらに求める主人公の気持ちをありありと描写してくれます。読後に余韻
を残すような結末になっており、この物語には何か含みが有るのではないかとい
うモヤモヤした気持ちが心地良いです。惹き付けられる文章でした。


【題名】誰も呼ばない/いそ。
【内容】狂気
【感想】
 子供の狂気の物語。ショートショートというよりは詩に近い印象を受けました
(散文詩っていうのかな? その辺の境界は良くわかりませんが)。「はないちもんめ」
の歌遊びが軸にあり、1行1行が遠くで反響するように感じます。集団に対する個
とか、規範性に対する異常性とか、そういう対比を想像しました。そういえば
小学生の時、友達がはないちもんめをやっていたんですが、私はルールを知らな
かったので混ざれなかったという苦い思い出があります。要するにジャンケンして
人を奪い合うゲームなのに、あの歌があるから結構不気味な感じがするんですよね。
都市伝説にもなってましたし。


391 :270:12/05/02 14:06:59 ID:tcA4hKDG
■文芸音楽アンソロジーレビューD

【題名】ただもうそれだけで/硬質アルマイト
【内容】命の燃える音
【感想】
 私の大好きなバンド(ここ重要)、LUNKHEADの「体温」をテーマにした作品です。私は
タイトルをみただけでそれだと気付きました(ドヤァ)。同曲の歌詞の内容と雰囲気を
きちんと踏まえた上ストーリー化された作品みたいです。一人称の主人公(男)視点で
女性の様子が滑らかに表現されており、死を前にした女性の命の儚さと、それでも
女性が生きているということを見つめようとする男性の視点が対照的で、印象深く
感じられます。テーマになってる曲の歌詞のおいしい所がもの凄く伝わってくるので
面白かったです。ところでこれ某軽音ラブコメのキー曲に置いてたのに……ナンテコ
ッタイ!


【題名】ヒトカラのすゝめ/山田真也
【内容】最後までハイテンション
【感想】
 後ろ向きにハイテンションな女性ラジオパーソナリティが黙々とヒトカラを薦め
る話です。ラジオ形式でBGM用のURLまで張ってある辺り徹底してるなと思いました。
ヒトカラを薦めるだけで4000字以上書いていることから、作者のヒトカラを肯定し、
アンチヒトカラを否定したい強い情念がひしひしと伝わってきます。色々ツッコミ処
は有りますが、ラジオパーソナリティは女性のはずなのに余り女性っぽくないのが若
干不自然でした。因みに私が一番笑ったポイントは「Fear, and Loathing in Las Vegas」
でした。「路地裏音楽戦争」で一回見たけど久しぶりにこのバンドの動画見ました。



392 :270:12/05/02 14:09:13 ID:tcA4hKDG
■文芸音楽アンソロジーレビューE

【題名】あるメロディックハードコアバンドの崩壊と再生/坂
【内容】期待と裏切りと成功
【感想】
 架空のメロコアバンドの結成に関わる裏話的な物語です。最後に「西の残響系クラム
ボン」という言葉があって、編成がクラムボンと一緒だったので最初実話かと思って
ちょっと焦りましたが全然違いました。コミカルな文章で、キャラクターのセリフの
かけあいのテンポが良くて笑いを誘います。特に、じわじわと意見が変わっていき、
最後はばっさりと切り捨てるリョウとタケの変貌ぶりが面白かったです。時間守らない
バンドマンはこうなるという教訓モノとしても読めなくは……いや読めないか。
続きは無いんですが、続きが読みたいなと思う作品でした。


【題名】Mr.children、スピッツ。この二つに並ぶはずだったバンドを知っているか?
    on 俺のリアル高校時代/名無しさん
【内容】SMILE(浅田信一)を薦めたい
【感想】
 90年代後半のロキノン厨がSMILE(浅田信一)について語ろうとする話。物語は途中で
切れてますがとりあえず浅田信一を薦めたい気持ちはもの凄く伝わりました。私も浅田
信一知りませんでした……どうして売れなかったんだろうこれ。ガッツリゆとり世代な
私は90年代後半に高校生くらいだった人達がもの凄く羨ましくて、その頃の雰囲気を楽
しめたので面白い作品でした。因みに多分その頃私が高校生なら、間違いなくミッシェ
ル狂として周囲に迷惑をかけていたでしょう。図書館まで行った後の草野達はどうなっ
たのか……是非オチまで書いて欲しい作品でした。


393 :270:12/05/02 14:11:11 ID:tcA4hKDG
【題名】STAY GOLD/牧根句郎
【内容】ハイスタ世代の寂寥感
【感想】
 かつてバンドキッズとして青春を謳歌した男が再会したのは……という話。
Hi-Standard のStay Goldをモチーフにしたストーリーで、大人になってから学生時代
の輝きを見つめるという展開がその良さを余計に引き立てます。文章全体を通して、
何かの曲の歌詞のようなリズムが流れていて、ある程度の分量のある文章なのに、
最後まで飽きることなく軽快に読めるところがとても良いと思いました。そして上でも
書いてますが、ガッツリゆとり世代な私はハイスタ世代がほんとに羨ましいです。
その雰囲気が楽しめて良かったです。ところでシュンスケってあのシュンスケですか?


【題名】マイ・ワン・アンド・オンリー/きすいと
【内容】親友の葬儀と完結しない恋
【感想】
 火葬場で、亡くなった男性の親友だった男性と、亡くなった男性の恋人だった女性
の会話で会話が展開します。文章中で亡くなった男性を追想する形で、完結すること
なく終わってしまった三角関係がありありと目の前に立ち上がります。亡くなった
男性に対する二人の気持ちの交錯が執拗に比喩表現で描写されていることや、煙に
対する描写が何度も繰り返されているのが特徴的でした。ところで、ググってみた
んですがMy One And Onlyというジャズ曲が見あたりませんでした。同名の映画とか、
Stingが歌ってるMy One and Only Loveという曲ならあるんですが、作中のオリジナ
ル曲なんでしょうか。



394 :270:12/05/02 14:13:34 ID:tcA4hKDG
■文芸音楽アンソロジーレビューF
前レスにタイトルつけ忘れたorz

【題名】スノースマイル/次郎
【内容】失恋した後の追想
【感想】
 以前まで交際していた女性を男性が回想する形で話が展開します。
BUNP OF CHICKENのスノースマイルの歌詞が物語のモチーフにされているみたいで、
若々しく瑞々しい恋愛が通り過ぎていった様をはっきりと思い浮かべることが出来
ます。最終的に主人公が、綺麗な思い出として肯定的な形で恋を完結させているの
が印象的で、丁寧にスノースマイルという曲が読み込まれているのがはっきりと
分かります。ただ欲を言えば、二人はどの辺りまで付き合っていたのか(雪を観た
描写があるから新潟に赴任するまで?)とか、どうして別れることになったのかが
知りたかったです。


【題名】全色混成は曖昧なグレーを創る/53
【内容】破壊出来ない世界
【感想】
 自分を救ってくれた男性のためにカルト教団にいることを肯定しようとする女性
の話でした。最初の一文と最後の一文が呼応する形になっているのが印象的でした。
教団のことを否定しながら、男性のためにそれを受け入れようとする女性の姿は、
逆に狂気を感じさせるものだったと思います。ところで、どうして男性が主人公に
対して心を開くようになったのかという部分の描写が薄かったので、なんでだろう
なと考えてしまいました。冒頭の文章に依ると椿屋四重奏の「シンデレラ」をモチー
フにした曲らしいです。私もその曲を聴きましたが、こういう風にモチーフにできる
のかと思い、面白いなと思いました。


395 :270:12/05/02 14:16:52 ID:tcA4hKDG
■文芸音楽アンソロジーレビューG

【題名】徒然エキセントリック、春よ来い/岩倉キノコ
【内容】バッドエンドの連続
【感想】
 クラシック音楽と共に大学生活を滅ぼした男の話です。タイトルから松任谷由実が
関係あるのかと思ったら特に関係有りませんでした(笑)。非常に運の悪い男というか、
次々と災難が降りかかってくるのに、淡々と音楽を聞き続けようとする男の姿が印象
的でした。文章の飾りが最低限に抑えられた、いつもの岩倉先生らしい、あっさりと
読みやすい文章でした。よくも此処まで最悪の展開が連続するなと思うようなストー
リーでしたが、ここまでやるなら、最後にCDプレーヤーが無くなった後の男の心情を
もっときちんと描写してほしいなと思いました。


【題名】死ぬ前に聴かせたい一曲 あるいは『カモメ』/橘圭郎
【内容】疲れ切った男の話
【感想】
 人生に疲れた男が、一人部屋の中で学生時代に共に過ごした女の子のことを思い出す
話でした。非常に丁寧に書かれた文章で、物語の展開の仕方も綺麗な流れをもっており
、読み終わった後もの凄く得したような気持ちになりました。人生を肯定するというの
はどういういみなのだろうと考えてしまいました。最後に主人公は自殺したのかなと思
ったんですが、私は死んでいないんじゃないかなという風に思います。野狐禅の「カモメ」
をテーマにした物語で、歌詞のフレーズが全て文章の中に丁寧に織り込まれていたので、
曲を聴いてから読むとまた違う印象を受けました。是非色んな人に読んで欲しい作品です。


4月末までにアップされた作品は以上です。
企画に参加して下さった皆さん、本当にありがとうございました。
他の方にも読んで気に入った作品をレビューして貰えると嬉しいです。

連投申し訳ありませんでした。

396 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:12/05/02 14:42:04 ID:axVV8iJ6
乙です

397 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:12/05/02 14:52:20 ID:MJ73f6yQ
企画&感想おつです。んで、ありがとうございます。

>タイトルのcrollo(伊)が「崩壊」、decrescendoが音楽用語の「どんどん弱く」
ご明察です。
いやあ、あまり褒められると照れるもんですね。

398 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:12/05/03 04:23:48 ID:tdLxdq+F
乙です。これが文藝盛り上がりの架け橋となるよう

399 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:12/05/03 05:08:54 ID:A/KAEkbW
文藝の他の作品をレビューして欲しい。
でも自薦するのは恥ずかしい……w
文藝作家はシャイな人が多いかもしれないね。

400 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:12/05/15 10:12:20 ID:uMLgFSGV
ニノベレビュースレあげておいて、すぐに文芸レビュースレがあるのに気付いた><
やはり文芸のレビューはこっちでお願いします。

「魔女の詩」
ttp://neetsha.in/12159

けっこう長いですけど!読めるところまでででも!


401 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:12/05/15 15:22:44 ID:nP/IswFv
>>400
激辛口でもよければレビューします
ただし根拠のない中傷はしないと誓う

402 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:12/05/15 15:32:24 ID:uMLgFSGV
>>401
是非お願いします。
激辛口の方がありがたいです。

403 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:12/05/16 09:25:39 ID:2vzpeHHa
最近始まった坂先生の「Re:仮歌」ってのがすごく面白い。
久しぶりに新都の文芸読んでわくわくした。
長くなるらしいのでまだ始まったばっかりのうちに色んな人に読んでほしい!

404 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:12/05/16 09:32:33 ID:RNcH3SN2
>>403
最初の一行目が恥ずかしくて詰んだ

405 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:12/05/16 09:58:51 ID:2vzpeHHa
普通によくありそうな始まり方だと思うんだが

406 :401:12/05/17 03:29:10 ID:1H3dAzA/
「魔女の詩」

とりあえず4話まで読んだ。
いい所から挙げると、文章力自体は非常に高いと思う。
現代物と違ってファンタジーはまずその世界観を読者に説明しなければいけないので、よく序盤は作者の自己満足の設定垂れ流しになる事が多いが、ごく自然な流れで世界観の説明に成功してると思う。
文体も特に長過ぎず、短すぎず、表現のくどさもないので読みやすいと思う。

悪い点について言えば、やや展開がご都合主義過ぎるかなという点。
例えば例を挙げると、メディナは将軍職として非常に優秀であったという設定があるが、将軍職にあったほどの軍事関係者が、先ほどまで自分を暗殺に来た人間と同行するとは思えない。
特に、追われている立場の人間であれば、後顧の憂いを断つ為に始末するのが普通じゃないだろうか。
行動を共にする明確な理由が欲しかったと感じた。
あと、まだ序盤なので致し方ないのかもしれないが、何処かで見たような展開が多いという印象を受けた。
4話までの展開に関して言えば、設定の緻密さは感じるものの、ファンタジー小説のテンプレートの域は脱していない。

ただ、夜盗30余人に対してアモンが手に余りかねると判断した描写は好評価。
よくメタファンタジーですと、メディナとアモンが二人で攻め込んで全滅させに行くところだが、力技だけで解決せず、どうにもならない部分に対してはどうにもならないので他の対策をとるという部分に、作者がリアリティを大切にしていると感じた。

自己満足だけのファンタジーにはなってないと思うので、続きに期待している。
あんまり激辛口にはならなかったが、こんなもんでいいだろうか。


407 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:12/05/17 13:49:13 ID:KUN8p28D
>>406
レビューありがとうございます!

文章力が高いと褒めて頂き、自信が持てました。
仰る通り、ファンタジーは世界観の説明で失敗している作品が多いので、それはないよう心がけています。
それでもまだくどいかなぁ、説明的すぎるかなぁと感じる事もしばしばですが。

悪い点の「ご都合主義」もそうですね。
話の流れが作者の意図通りに進みすぎている部分が透けて見えちゃってますね。
キャラクターは作者の駒としてしか見ていないので、今後もそういう部分が出てくるかと思います。
今はもう20話まで書き進めてしまっていますので修正は難しいかもしれませんが、心がけていきたいと思います。

リアリティは一番こだわっている部分でして、そこを評価して頂いたのが一番嬉しいです。
続きも頑張って書く気力がみなぎりました。
ありがとうございました!

408 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:12/05/17 15:37:50 ID:41zIirek
なんだろうこのすごく良い流れ

409 :「ナツニト」推進委員会:12/07/29 05:09:10 ID:9jK8h6mm
夏休みになったことで時間に余裕のできた学生さん等も多いのではないでしょうか。
文藝及びラノベ作者のインタビューも始まり、文藝新都スレの方では「今日は〜」の小説版等の提案があったりと、少しづつ文藝にも活気が出始めた今日この頃。
その勢いに乗って、折角ですので夏の間「ナツイチ」ならぬ、「この夏読んでもらいたい文藝新都作品」略して「ナツニト」と題して挙げて行きたいと思います(まんまパクリですw)。

まあ基本的に作品レビューですw 「この夏改めて読んで欲しいオススメ作品」を何作品か出せたらなと思っています。

出来る限り一日一本のペースで挙げて行きたいと思っていますが、私にも限界があるので、他の方もどんどんオススメの作品を挙げていって頂けると嬉しいです。


もっと文藝作品が活気づくことを願って。この夏は沢山コメントを付けよう!


410 :「ナツニト」推進委員会:12/07/29 05:09:41 ID:9jK8h6mm

ナツニトNo.1
そして俺はカレーを望んだ/俺
ttp://neetsha.jp/inside/comic.php?id=4851


コミカルでテンションの高い展開とリズム感のある文体で描かれた異能力アクション。

カレー好きな少年、相羽光史と銀髪の少女が出会ったことから物語が始まっている。
初めは異能力者同士の戦いに巻き込まれた少年の慌ただしい日常を描くのかと思いきや・・・・・・。
ぎっちぎちに文章が敷き詰められているが、驚く程すらすらと読める。一文一文のリズム感の良さは圧巻。気付いたら読み終わってる。
更に、登場人物の優遇がさほどないことも面白い。死ぬ時は死ぬ、といった不条理感が、物語の中にピリっとしたスパイスを加えており、程良い緊張感も残している。

読んで決して損はない。むしろ更新が待ち遠しくなる作品だ(私自身が最近の更新頻度の低下を嘆いている状況ですw)
時間があるようだったら是非読んでいただきたい。その後に「要するに触手の話なんだよ」と「夏、過ぎ去ってから」も読むと三度美味しい。

411 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:12/07/29 10:40:00 ID:8F4/sYrD
期待age

カレー読んでなかったから読んでみよう

412 :「ナツニト」推進委員会:12/07/29 23:13:35 ID:9jK8h6mm
現在、文藝【埋もれた財宝】発掘という企画が始まりましたし、ナツニトは見送らせていただきます。また今度ね! 特に>> 411ごめんね
作品発掘者と評価者による参加型の企画です。非常に楽しめる内容になるのではないでしょうか。

今後、文藝作品が活気づくことを応援しております!

413 :411:12/07/29 23:23:50 ID:8F4/sYrD
>>412
気にしなくていいよ!
もう文藝【埋もれた財宝】発掘で評価人として書き込みしてるしw
みんなどんどんハントしてきてくれ。
そして更新しよう。
食指が動くような作品求む!

414 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:12/07/30 22:30:25 ID:CBNwW5Z0
>>410
うへへ、ありがとうございます。
ジャンクフードみたいな文章なので、
一度に読むと胸焼けすること請け合いだと思います><
投げることは絶対にしないので、たまに上がってたら
読んでくれると嬉しいな・・・///

415 :>>410:12/08/24 12:42:15 ID:yjSfF7g6
ごめんなさい、なんというか勢いにまかせて上の続きを投稿します。
埋もれた〜にあげる作品とは違うのかなってレビューを溜めてしまっているので。
ナツニトではございませんが、夏も中盤〜終盤。
読書に目を向けてみるのもいかがでしょうか。

あと、たった一言でもいいのでコメントもつけてみましょう!文藝に活力が戻るように願っております!

416 :>>410:12/08/24 12:43:19 ID:yjSfF7g6
No.2

デッドフィッシュシンドローム/涼

ttp://neetsha.jp/inside/comic.php?id=3094

幻想と現実の間を泳ぐ青年を描く音楽小説。

デッドフィッシュという魚を夢の中で見始めた青年と、それを取り巻く人々の物語であり、楽器等を絡めているがどちらかというと青年の独白がメインとなっている為、実際は音楽小説ではないのかもしれない。作者自身もジャンルを「不健全小説」としている。
独特な言語感覚で淡々と語られるが、その淡々とした文章の中にどこか気味悪さや不穏な空気が潜り込んでおり、読者を奇妙な世界へと連れて行く。

千切れかけのつり橋の上に立っているような不安定な気持ちと、落ちついた空気感が絶妙に合わさり、トリップ感のある世界観を生んでいる。是非やみつきになっていただきたい。

417 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:12/08/24 12:44:42 ID:yjSfF7g6
No.3

アイゼン=リリー/fu

ttp://silk.kinugoshi.net/

記憶喪失の少女と土人形の旅物語。

ファンタジックな世界観が魅力的な作品だ。その旅先で出会う人物や世界も色濃く、そして時に残酷に描かれていく。
無駄を削いだ鮮明な文体が魅力的で、ファンタジーという題材を扱っているだけに、読者の想像力を掻き立てるような描写がなされている。
自サイトによって背景が真っ白だが、この作品は何の色もない方がより綺麗な作品に見えるので、自サイトでの執筆は正解であると思っている。

現在は更新が停滞しているが、FA等も多く描かれているファンの多い作品なので、是非読んでみて欲しい。fu先生の世界観が気にいったら「短編」の方も是非。fu先生の魅力が更に際立ちます。


418 :>>410:12/08/24 12:45:22 ID:yjSfF7g6
No.4

永遠の如月/NAECO

ttp://neetsha.jp/inside/comic.php?id=4633

死にたい少女と死神の物語。

構成力といい、文章力といい、この作品の完成度は非常に高い。タイトルにもあるように、一つの月を何度もループする作品で、幾つもの伏線が貼られている。
序盤から付いている日付を見ながら進んでいってほしい。驚き、そして綿密に練られたストーリーに必ず胸を打たれると思います。文藝の完結作品の中でも特に気持ちの良い読後感。
また、NAECO先生は特に心理描写が素晴らしい。しっとりとした文章表現でありながら、胸を引き裂くような描写の数々。

この作品の後に「珠玉のショートショート七選(後述にてナツニト記載予定)」に収録されている「ノートの中の彼女」も是非読んでみて欲しい。この作者の構成力に更に感心させられるでしょう。


419 :>>410:12/08/24 12:46:22 ID:yjSfF7g6
No.5

君の手は僕に触れない/風見鶏

ttp://neetsha.jp/inside/comic.php?id=3184

昔の友人との間に揺れるラブロマンス。

BLというジャンルを扱いながら、特に耐性のない人でも読むことの出来る形に落とし込むことのできている作品です。
男性同士の絡みも描いていますが、特に秘匿による快感、そして罪悪感、同性の恋という背徳感に対して揺れる心理描写は、むしろ男女の恋愛よりも濃く、深く描けているのではないでしょうか。
非常に重たい作品ですが、さらりとした流麗な三人称がフォローしている。非常に良いバランスの保たれた作品です。

この作者さんには是非とも他作品を書いてほしいと思うのですが、これっきりのようなので非常に残念です。BLが苦手という方でも、非常に入りやすい作品ですので、是非ご一読ください。

420 :>>410:12/08/24 12:47:12 ID:yjSfF7g6
No.6

良い子と悪い大人のための平成夜伽話/橘圭郎

ttp://neetsha.jp/inside/comic.php?id=7947

「あるとき、あるところに、精力絶倫な男がおりました。」という一文から始まる、短編連作形式の物語。
日本昔話のような柔らかな語り口から、しかしどこか黒さを孕んだ物語は読んでいてこうくるか、と驚きと納得感を生まれさせる。橘先生の文章のリズムの良さが際立つ作品展開は読んでいて爽快感すらあります。
実は、この物語、様々なギミックがあります。どんなものかって? 是非とも最後まで読んでみてください。多分貴方は読後に「ああ、良かった!」と言っていることでしょう。

現在第二部の方は削除されてしまったようで非常に残念です。現在は「花咲く乙女の舞闘劇」を精力的に連載中ですので、ご一読ください。

421 :>>410:12/08/24 12:49:45 ID:yjSfF7g6
週1で五つのレビューを挙げていくつもりです。現在6までなので、とりあえずキリよくNo.30辺りまでやります。
是非読んでみてください。
では本日はこれにて

422 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:12/08/24 20:22:23 ID:fEJtipUw
おおーすげえ
乙です

423 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:12/08/24 23:56:34 ID:yjSfF7g6
>>422

どうもです。とりあえず16個くらいのレビューは溜められているので、毎週金曜を楽しみにしていただけると嬉しいです。
しつこいですが、読んで面白かったらぜひコメントをつけましょう!!
「面白い」等の一言でも、きっと嬉しいと思うので!!

424 :>>410:12/08/31 00:57:30 ID:OjtvBtjX
金曜日になったよね? なったなった!
今週ももっと読まれたい。コメント付いてほしい! 文藝が活性化することを願い、「今読んで欲しい文藝作品」を紹介させていただきます。
本日はNo.7〜No.11まで挙げさせていただきます!

425 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:12/08/31 00:58:50 ID:OjtvBtjX
No.7

復讐の代価/只野空気

ttp://80percentagenitrogen.web.fc2.com/hukusyu/index.html

孤島を舞台にした脱出ミステリー作品。

只野空気の初連載作品。ハイジャック、ウイルス、孤島というシチュエーションをふんだんに盛り合わせた作品である。
初作品ということもあり、様々な点に荒削りさは見られるが、演出力に関しては見張るものがあり、完結まで読んだが非常に面白い作品であった。
サカサマサカサの印象が強いと思うが、こちらの作品と「オナニーマスター白沢」は是非読んでほしい。オナマスはタイトルで損をしている。本当に。

ライトノベル寄りの文体と、一話の分量が少ないので、サクサクと読んでいけます。

426 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:12/08/31 00:59:43 ID:OjtvBtjX
No.8

マンコ/漫☆小太郎

ttp://neetsha.jp/inside/comic.php?id=2629

インカを舞台にした時代小説。

タイトルと内容の違う作品。そのギャップ感は計り知れない物がある。例えば最近更新されている「クリトリスだぁぁい好き☆」もその分類がされるだろう。
この作品の面白いところは、タイトルや登場人物の名前に軽い下ネタを挟みつつも、時代考証のよくできた物語を描いていること。一話一話の短い分量の中でぎゅっと濃縮された物語は、思わず一気に読み切りたい衝動に読者を誘おうとする。
ギャップだけでは終わらない面白さがあります。大体三十分〜一時間もあれば読み終えることのできる量も丁度いい。タイトルで敬遠する方も、是非ご一読を。


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