■掲示板に戻る■ 全部 1- 101- 201- 301- 401- 501- 601- 701- 801- 最新50 [PR]ぜろちゃんねるプラス[PR]  

新都社の長文感想や批評やらのスレ

497 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:13/03/20 22:44:43 ID:9Bw3XTbU
「ミサゴ冒険記」読みました。
いいと思った所も、悪いと思ったところもありました。
連載時は読んでいなくて、レビュー希望の書き込みを見てから
読み始めました。

自分も新都社で漫画を描いており、さして人気がある訳でもありません。
ですので本来、レビューなどを上から目線で書ける立場ではないのです。
また、このような文章を書くのも初めてです。最初に申し添えておきます。

まず、各話の終わりに「次の話へ」のリンクがないのがすごく苦痛でした。
一回ごとに、「今読んでるの何話だっけ?」と考えて、
今の話数をチェックして、トップに戻って、次の話をさがして
クリックしなければなりません。
途中で何回かギブアップしそうになりました。
ファンの方や頭のいい方なら大丈夫なのでしょうが。

完結させることの出来る作品(作者)がそもそも少ない新都社で、
最初から構想がきちんとある作品がきちんと完結するのは貴重だと思います。
それは文句なく評価できるかと思います。

野外生活の、リアリティのある描写もよかったです。
果物や野菜は傷まないように日陰をつくってやっていたり、獲った魚は
天日にあてて日持ちがするようにしてあったり、ザリガニ食べたり。
地に足のついている、いい表現だと思います。
ですがその反面、そのリアリティだと、主人公が水筒ひとつ
さげていないのが、逆に気になったりもしました。

主人公である「ミサゴ」の影がすごく薄かったです。
カジカのような明確な目的がある訳ではなく、
誰かを好きになる訳でもなく、事件に巻き込まれる訳でもありません。
身軽で俊敏という特性があるのですが、その特性が物語の内部で
なにかの役割を果たすことは多分なかったと思います。
極端な話、ミサゴは登場しなくても物語は成立するのではないでしょうか。
物語における重要度は明らかにパイナップルより下と思われます。
ですが山にのぼって何のてらいもなく「ヤッホー」言うところとか、
脱ぎっぷりのいいところとか、
状況に流されても全く意に介さないところとか、好きです。

成海先生は「単純な悪を出すのが嫌い」とのことで、物語内には悪人、もしくは
悪意(害意)を持った人、というのが登場しません。
先生のお人柄だと思います。
ですが、主人公には明確な目的意識がなく、ハイタカの夢も
それほど切実なものでもなく、二人の間に恋愛要素もなし。
リーベル団にも王立グレーバーにも悪人が一切いないとなると、
読む立場としては、ちょっと推進力が不足気味かなと思いました。

「質量エネルギー」はすごくよかったです。今日的なテーマでもあります。
「位置エネルギー」で一度外しておくのもよかったと思います。

物語のまとめの部分で、カジカが「人生を懸けて諸外国との調整に…」と言う
のですが、王立グレーバーがどのくらい偉い立場か読者には判らないので、
ちょっと説得力がなかったように感じました。
カジカが王族の一人だったりしてるのを読み落としているのかも知れませんが、
その場合は、あのセリフの前後に思い起こさせて欲しいです。
パイナップルも、それまではただのパイナップルだったのに、突然立派なことを
喋りだすので驚きました。いっそのこと、パイナップルは実は敵国の
重要人物とかで、カジカとの和解がそのまま和平の実現につながって
しまえばいいのにと思いました。

読み返してみると、不満点ばかり書いてしまったような気がしますが、
読みやすく、あちこちに工夫の効いた、いい漫画だったと思います。
絵も、丁寧でわかりやすかったです。
完結おめでとうございます。ありがとうございました。


514KB
続きを読む

名前: E-mail(省略可)
READ.CGI - 0ch+ BBS 0.7.4 20131106
ぜろちゃんねるプラス