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文藝新都作品レビュースレ★2

651 :以下、VIPにかわりまして新都社でお送りします。:14/03/17 01:21:13 ID:49rBhp8Z
 ニートノベルのレビュースレが見当たらなかったので、こちらで。
 少し長いですが、ご容赦ください。若干ネタバレも含みます。

【タイトル】
 東山春木の恋愛は成就しない/いしまつ先生
 URL:ttp://neetsha.jp/inside/comic.php?id=15845

【要約】
 振られてばっかりの男が幼馴染(?)のためにがんばる。

【文章】
 ラノベによくある、やや達観気味の一人称俺タイプ。若干主人公が説明的な印象。
 一人称だから仕方ないとは思うが、主人公がちょっと淡々とし過ぎでは?と思った。
 あと、最新更新分で殴られているシーン。ここに少し違和感が。
 
 ・廊下を曲がり、姿を消した二人を見て安心した俺のこめかみを、重い衝撃が貫いた。
 ・バランスを崩した瞬間に、振り落とされる。立ち上がろうとしたときには、すでに相手が俺を見下ろしていた。
 ・髪を掴まれ、壁に叩きつけられた。
(一部抜粋)

 殴られている時に、ここまで冷静でいられるだろうか。
 主人公が打たれ強く、殴られながらも冷静に状況を判断できるのなら、反論できない。
 ただ、主人公は一度ボコボコに殴られ、フラッシュバックが起きるほどのトラウマになっている(現に改札出会った時、身体が硬直している)にも関わらず、ここまで淡々と計画実行できている。
 主人公が強い意志を持っていると言えるが、心理的には少し出来過ぎではないかとも思う。これは重箱の隅をつつくようなことなので、そこまで気に留める必要はないかもしれない。

 一番気になったのは、とにかく情景描写がないこと。

 ・俺は、春香のマンションに車を横付けし(マンションの周囲や特徴がない)
 ・放課後、とある駅前に来ていた〜ラブソングを歌い上げている。(駅前で視界に入る情報としては、少なすぎでは)
 ・俺はまたあのシンナーと埃と汗のにおいが漂う部室の中に入る。相変わらず人はいなかった。隣の部室から、ギターとベースとドラムの騒音がいっしょくたの塊になって叩きつけてくる(視覚情報がないので、想像できない)

 どんなところで、どんなひとが、どんなもので、何をしているのか。
 それが少々想像し難い。主人公の描写が、どこかでされていたのかも思い出せない。
 もう少し人物と、周囲の光景を関連付けてもいい。あとは人物の行動をそのまま描写しないようにする、など。例を挙げると、

 完全に不意を突かれ(ここも表現としては変)、鬼島と俺は、地面に倒れ込んだ。
 そのまま俺は馬乗りの姿勢になった。あっけに取られる春香と細田に向かって叫ぶ。
「行け! 走れ! ……このままじゃお前等二人とも、コイツに殺されるぞ!」
     ↓
 鬼島の不意を突くことに成功した俺は、奴と共にコンクリートの廊下に倒れ込んだ。
 間髪入れずに、俺はマウントポジションを取る。予定とは大分変ったが仕方ない。
 俺は横目で、茫然としている二人を睨んだ。
「何してんだ、早く逃げろ!」
 声に、若干の怒気を孕ませて。
「このままだと、お前らもコイツに殺されるぞ!」

 ……みたいな感じ。小生の文章力については容赦を。
 この文章が正しいとは言えないかもしれないが、せっかくマンションの廊下という場面なので、廊下の柵とか、もしかしたら置いてるかもしれない傘立てや洗濯機とか、描写に組み込んでみてもいいかなとは思った。
 分からなければ、実際のマンションの廊下など、観察するのも手。
 そうしたら、自然と風景描写などができるかもしれない。

 いちゃもんが多くなったが、文章自体は安定していて、読みやすい。
 所々に違和感のある表現があったりするので、一度声に出して読むと吉。

 続きます。

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