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新都社の長文感想や批評やらのスレ
583 :
以下、Web漫画と小説の新都社の提供でお送りします
:2014/06/18(水) 06:06:40 ID:yCFihG6b0
お借りします。
小鬼の太刀】レビュー
敢えてジャンルを挙げるなら、妖怪もの和風ファンタジーだろうか。
舞台設定は、江戸時代中期のイメージだが、河童や牛鬼、鎌鼬といった妖怪が実在することになっている。
しかし、この漫画で妖怪の存在自体は、実は単なる添え物に過ぎない。
重要なのは「妖怪刀」の方で、これは本作のオリジナルのアイデアであって、漫画全体の「鍵」となっている。
(1)妖怪刀
妖怪刀は不可思議な力を宿す妖刀の一種だが、昔とある刀匠が作り出した「空の太刀」に倒した妖怪を封印することで作られる。
より強い妖怪を封印すれば、それだけ強い妖怪刀を作ることができるが、強い妖怪の封印の儀式には大変な苦痛が伴う。
通常の人間は、まずこの苦痛に耐えられない。
妖怪刀には通常の刀身のほかに、様々な形状の「見えざる刃」があり、これが強大な力を発揮する。
妖怪刀の「見えざる刃」を見切ることができるのは、妖怪刀の使い手だけである。
ただし、「見えざる刃」の力は使用すると弱まってしまい、妖怪刀に血(魂)を吸わすことでしか回復できない。
さらに、妖怪刀には人を魅入る力(呪い)がある。
この呪いに抵抗に失敗して魅入られてしまった人間は、見境なく人切りの衝動に襲われてしまう。
強い精神力の持ち主にしか抵抗できない。
以上が妖怪刀の設定だが、これが上手く活きてくるかは、もちろん物語の出来次第である。
小鬼の太刀の物語は、まさにこの妖怪刀の設定を存分に活かすように、巧みに織り成されている。
584 :
以下、Web漫画と小説の新都社の提供でお送りします
:2014/06/18(水) 06:08:09 ID:yCFihG6b0
(2)物語
物語の中心は、仁九郎と赤獅子(獅子丸)という2人の主人公である。
最初のうちは、何らかの理由で仁九郎が赤獅子を敵視していることだけが分かる。
話が進むうちに、2人の間には深い因縁があり、いずれ雌雄を決しなければいけない宿命にあることが明かされていく。
もっとも、仁九郎と赤獅子が直接対面するのは、まだ描かれていない最終幕を除けば、過去篇のほんの一部だけである。
物語は、仁九郎パートと赤獅子パートに分かれて交互に進み、それぞれに回想(過去篇)が挟まる作りになっている。
仁九郎は赤獅子を倒すため、強い妖怪刀を求めて旅している。
仁九郎は一本の妖怪刀と二本の「空の太刀」を所有していて、これに強い妖怪を封印すべく戦いを続ける。
仁九郎パートは、ちょうどPPGの主人公が経験値を積んで次第に強くなっていくように、
敵と戦いながら徐々に強さを手に入れていくストーリー(成長物語)が基本である。
ただ、仁九郎の本来の目的は自分自身を強くすることでなく、より強い妖怪刀を手に入れることである。
しかし非常に面白いのは、仁九郎が強い妖怪刀を求めて旅をするうちに、彼自身の真の強さを手に入れる(取り戻す)ことだ。
このあたり、非常によく練り込まれていると感じる。
赤獅子は有名な九尾狐にまつわる強力な妖怪刀を所持していて、これを使いこなすことができる。
赤獅子の力は圧倒的で、仁九郎が赤獅子の背中を負っているわけだ。
この点だけを図式化して言えば、赤獅子=魔王、仁九郎=勇者である。
ところが、本作における赤獅子は魔王ではなくて、あくまでもう一人の主人公なのだ。
赤獅子は妖刀に魅入られているが、妙な人間味があって、話し相手にするために盲目の少女を連れて歩く。
赤獅子パートは、この少女との掛け合い、少女に過去を語るという形で展開していくのだが、
しかも少女は赤獅子に触れて少しずつ成長していく。
赤獅子パートは、赤獅子が自身の過去を少女に語るという回想篇が中心で、それによって仁九郎との因縁も明らかにされていく。
同時に盲目の少女の成長の物語にもなっている。
これがまた非常に面白いのだ。
585 :
以下、Web漫画と小説の新都社の提供でお送りします
:2014/06/18(水) 06:10:44 ID:yCFihG6b0
(3)作者へ
小鬼の太刀は現在回想篇の最終局面に入っている。
そのあとは、いよいよ赤獅子と仁九郎の宿命の対決に向かっていくのだろう。
最初の頃は、荒い作画で、細部を気にせず、どんどん物語を進めていた。
ここに来ていろいろな伏線が回収され、物語に一気に深みが出てくると同時に、絵も綺麗になっている。
その分、更新ペースが落ちているのは仕方ないところだろう。
作者には、ここでもう一度、自分が本当に描きたかったことは何かを思い起こして欲しい。
読者の期待が高まっていて、圧力を感じるかもしれないが、是非初志貫徹で完結に向かって欲しい。
一読者として、この既に素晴らしい漫画の完結を静かに見守りたい。
最後のコメント、上から目線ですが、許してください。
長文失礼しました。
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